「ヒプノシスマイク(以下ヒプマイ)」を知っているだろうか?
私は最近までほとんど知らなかった。「ほとんど」と書いたのは、「名前は知っていたけど詳しくは知らなかった」から。Twitterやpixivでたまにイラストを見かけることはあったが、詳しく調べたりはしなかった。
人気があるのは理解していた。ただ、正直今から情報を追うのは億劫だなぁ…と思っていた。なにしろ私がヒプマイの存在を知ったのは2020年で、ヒプマイは2017年に始動したコンテンツ。
つまり、私は3年出遅れているのだ。
3年も経っているのだから、今から調べても情報が溢れすぎて把握しきれない。
キャラクターが多いのは知っていたが、彼らがどういう性格なのか、誰と誰がどういう関わりを持っているのか、そもそもヒプマイの舞台設定はどうなっているのか?わからないことが多すぎた。
なにより、当時の私はヒプマイに関心がなかった。
興味があれば情報過多なんて理由で調べないわけがない。むしろ、情報があればあるほど大喜びするはずだ。
「ヒプマイは人気作品なんだろう」
こういう認識に留めていたのは、ヒプマイへの情熱がその程度だったということ。
そんな私が何故ヒプマイの話をしているのか。察しのいい人はわかっているだろう。
私はヒプノシスマイクにハマったのだ。
[adchord]ヒプノシスマイクとは
とはいえ、まだまだヒプマイを知らない人もいるはず。
簡単にだが、ヒプマイについて説明しよう。そしてあなたも「ヒプマイ沼」へハマるがいい。
「ヒプノシスマイク」の正式名称は「ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-」。キングレコード内レーベルEVIL LINE RECORDS(イーブルラインレコード)が手掛けた男性声優さん18人による音楽原作キャラクターラッププロジェクト。
そう、声優さんがラップをしているのだ。
声優さんの活躍は年々広がり、今や声で演じるだけでなく歌って踊れる声優さんは当たり前となった。アニメやゲームのキャラクターとしてライブが開催されることも珍しくない。
しかし、ラップに特化した声優プロジェクトは珍しい。どちらかといえば、今までの声優プロジェクトは王子様のようなキラキラ輝くアイドルを応援するような「煌びやかさ」が売りのコンテンツがほとんどだった。
だが、ヒプノシスマイクには煌びやかさも王子様のようなキラキラ輝くアイドルも登場しない。
公式サイトにはヒプマイの舞台設定が書かれている。
ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 前文
H歴 武力による戦争は根絶された…
争いは武力ではなく人の精神に干渉する特殊なマイクにとって代わった。
その名も【ヒプノシスマイク】
このマイクを通したリリックは人の交感神経、副交感神経に作用し、
様々な状態にすることが可能になる。
人々はラップを使い、優劣を決する。
男性は中央区以外のイケブクロ・ディビジョン、ヨコハマ・ディビジョン、
シブヤ・ディビジョン、シンジュク・ディビジョン等の区画で生活をすることになる。
各ディビジョン代表のMCグループがバトルをし、
勝った地区は決められた分の他の領土を獲得することができる。
兵器ではなく、言葉が力を持つことになった世界で今、
男たちの威信をかけた領土テリトリーバトルが始まる。
出典:ヒプノシスマイク公式サイト
読んでもいまいちピンとこない人も多いだろう。百聞は一見に如かず。この動画を観てほしい。
見てわかるとおり、ヒプノシスマイクにアイドルのようなキラキラ感はない。あるのは男と男がプライドを賭けて戦う泥臭さと情熱だ。
キッカケはAbemaTVの無料配信だった
私がヒプマイにハマったキッカケはAbema TVの無料配信だった。
この頃、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大が世界規模に。それに伴い、イベントやライブが次々と中止や延期となった。
当初2020年3月28日・29日にメットライフドームで開催予定だったヒプマイ5thライブも感染拡大の影響を受け開催を中止。5thライブでは新たに加わったオオサカ・ディビジョンとナゴヤ・ディビジョンの初パフォーマンスも予定されていた。(オオサカ・ディビジョンとナゴヤ・ディビジョンは2019年9月7日・9月8日に大阪で開催された4thライブで正式加入が発表されている)
と同時に、新型コロナウイルスの影響でライブが中止となったアーティスト達が無観客ライブをYouTubeなどで配信する動きが活発化。
その流れに乗って、開催予定だった5thライブを特別番組『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle- 5th LIVE@AbemaTV《SIX SHOTS UNTIL THE DOME》』としてAbemaTVで2020年3月29日に独占生放送されることとなった。
独占生放送の情報はTwitterで知った。確かフォロワーが公式アカウントをリツイートしていたのだと思う。
観ようと思ったのは、ヒプマイのキャラクター「伊弉冉一二三(いざなみ ひふみ)」の楽曲をゴールデンボンバーの鬼龍院翔さんが手掛けたとTwitterで話題になっていたから。
聴いた瞬間、「鬼龍院さん感がすごい…」と感じた。キラキラと眩しい一夜の宴…まさしく「パーティーを止めないで」と願ってしまう中毒性のある曲。しばらく脳内リピートが止まらなかった…。
ちなみに、「パーティーを止めないで」が収録されている「麻天狼 -Before The 2nd D.R.B-」は5thライブ数日前の2020年3月25日に発売されている。
有名アーティストが楽曲提供しているヒプノシスマイク。一体どういう世界なんだ?せっかく無料で観られるのだから、試しに観てみよう。
これが、ヒプマイという深い深い沼に足を踏み入れた瞬間だった。
[adchord]衝撃ばかりのヒプマイライブ
AbemaTVの生放送を観た瞬間、衝撃が走った。
「なんだこれは」
何度か声優さんのライブを観たことはあるが、今までのものとは明らかに違う。そこにあるのは『ヒプノシスマイク』という世界から飛び出した正真正銘のラップライブだった。
それもそのはず。楽曲提供しているのはヒップホップ界の第一線で活躍しているアーティスト達。nobodyknows+やZeebra氏など、ラップに詳しくない人でも一度は目にしたことのある人物がヒプマイの曲を作っているのだ。
私は声優ライブではなく、ラップライブを観ている。
ヒプマイは私の中の声優ライブのイメージを覆してくれた。
推しディビジョン「どついたれ本舗」
ラップライブが続くなか、登場したのがオオサカ・ディビジョン「どついたれ本舗」。このディビジョンが私の推しディビジョンとなる。
「どついたれ本舗」の楽曲を聴いた第一印象は「THE・大阪」。聴いたことがない人はぜひ聴いてほしい。
歌詞の始まりがまさかの「はいどーも!」。ラップで「はいどーも!」を聴くとは思わず、かなり驚いた。完全に偏見だが、私はラップに対して「カッコイイ」「クール」という印象を持っており、そのなかで「どついたれ本舗」の楽曲は異色だった。
動画には含まれていないが、「あゝオオサカdreamin’night」では白膠木簓(ぬるで ささら)と 躑躅森盧笙(つつじもり ろしょう)が漫才をしているパートがある。生放送で観たとき、この漫才シーンも印象に残った。CDでは漫才シーンがしっかり聴けるので、まだ聴いていない人はぜひ聴いてほしい。
とにかく「どついたれ本舗」は初見で一番印象的なディビジョン。もちろんラップを披露しているのだが、それだけではない大阪らしさが凝縮されている。
そして、サビの振りが可愛い。とにかく可愛いのだ。生放送を観た人も同意してくれるだろう。
異色さと可愛さを併せ持ったオオサカ・ディビジョン「どついたれ本舗」。推さない理由がない。
[adchord]キャラクターのことをもっと知りたくなる
ヒプマイは、基本的に楽曲とドラマトラックでキャラクターの性格や関係性を知っていく。私が最初に聴いたのはもちろんオオサカ・ディビジョンのドラマトラック。そこで、過去漫才コンビを組んでいた白膠木簓(ぬるで ささら)と 躑躅森盧笙(つつじもり ろしょう)が何故解散してしまったのか、今でもお互いがどれほど大きい存在なのかを知って胸が熱くなった。
動画では公開されていないが、対極的ともいえる簓と盧笙の掛け合いを聴いてほしい。まさに漫才と呼べるものだ。
しかし、オオサカ・ディビジョンのドラマトラックを聴いただけでは全キャラクターの性格、関係性は把握できない。公式サイトによると、簓は過去に碧棺左馬刻(あおひつぎ さまとき)とチームを組んでいたと書かれている。碧棺左馬刻がどういうキャラクターなのか、当然私は知らない。知らないのなら、情報を集めるしかない。情報を集めたらもっと知りたくなる。
今では毎日ヒプマイの曲を聴かなければ情緒不安定になってしまう体になってしまった。
二次元とラップという斬新さ、キャラクター同士の深い関係性、予測不能な展開。
これだけの要素があってハマらないわけがない。「ヒプマイは人気作品なんだろう」とぼんやり考えていたとは思えないほど、頭の先まで『ヒプマイ沼』にハマっていた。
それほど、AbemaTVでの5thライブ生放送は観るもの全てが衝撃だった。そして、新しい世界を知る大きなキッカケを与えてくれた。
生放送されたライブ映像はAbemaTVで1週間無料視聴されていたが、残念ながら現在は配信されていない。
見逃したという人も安心してほしい。5thライブ映像が収録されたBlu-ray、DVDが2020年8月19日に発売する。もちろん私は予約済みだ。
【2020年6月26日追記】8月19日に全国映画館でライブビューイングが開催
ヒプマイの世界は舞台にも広がっている。2020年8月12日から8月19日まで「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.2-」が上演予定。8月19日千秋楽は全国映画館でライブビューイングが予定されている。
なお、2019年に上演された「『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.1-」のBlu-ray・DVDが発売中だ。
ラップとキャラクターが融合した「ヒプノシスマイク」。今後さらに私達を魅了する楽曲を提供してくれるに違いない。物語も大きく動き始め、ますます目が離せない。
さらなる飛躍を楽しみにしつつ、曲を聴いて情緒を安定させておこう。
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