最近、台風や地震など様々な災害が続いていますね。普段から対策をしておくべきだと改めて考えていらっしゃる方も多いでしょう。
これまで、Inflandでは携帯キャリアに関して料金や通信の観点から解説してきましたが、
災害時のことは考えていますか??
実は、格安スマホと大手キャリア(docomo・au・SoftBank)では、災害対策にも違いがあるんです。今回は、災害対策という観点から両者を比較していきます。
[adchord]大手キャリアはどんな災害対策をしてる?
まずは、大手3大キャリアの災害時対策についてご紹介します。全てのキャリアが主に次の3つの対策を行っています。キャリアによっての遜色はほぼないため、NTTdocomoの提供しているサービスを代表的な概要としてご紹介します。
災害用伝言板
ドコモでは、大規模な災害時に携帯電話やスマートフォンで安否確認ができる「災害用伝言板」を提供しています。
NTTdocomo「災害用掲示板」
「災害用伝言板」とは震度6弱以上の地震など、大きな災害が発生した時に、被災地域にお住まいまたはご滞在中の方が、ドコモの携帯電話やスマートフォン※1からご自身の状況を登録していただくことができ、登録された安否情報はインターネットなどを通じて、全世界から確認※2していただける災害時専用のサービスです。また、あらかじめ指定したご家族や友人に対して、災害用伝言板に登録したことをメールでお知らせしたり(登録お知らせメール)、被災地の方に災害用伝言板への安否情報の登録を依頼(登録お願いメール)することも可能です。
大規模災害の際、「無事です」「自宅にいます」など自身の状況を登録することができる掲示板をキャリアごとに持っています。登録された情報は全国から閲覧することができます。また、あらかじめ指定した家族・知人に対して災害用伝言板に登録されたことをメールで知らせるという機能もあります。
緊急速報メール
気象庁が配信する「緊急地震速報」「津波警報」「気象等に関する特別警報」、各省庁・地方公共団体が配信する「災害・避難情報」(Jアラートにて配信される国民保護情報等)を、回線混雑の影響を受けずに受信することができます。
NTTdocomo 「緊急速報エリアメール」
対象エリアにいるお客さまは、月額使用料のほか通信料や情報料も含め一切無料でご利用できます。
地震・津波・台風などの情報を事前に届けてくれるサービスですね。本当に緊急の際に、その場にいる全員のスマホが鳴りだしたという経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
災害用音声お届けサービス
NTTドコモでは、大規模な災害時に音声メッセージで安否情報をお届けする「災害用音声お届けサービス」を提供しています。
NTTdocomo災害用音声お届けサービス
「災害用音声お届けサービス」とは、震度6弱以上の地震など大きな災害が発生し、多くの音声発信によりつながりにくくなった場合に、音声通信に代わってパケット通信により音声メッセージをお届けする災害時専用のサービスです。
音声メッセージが登録されると、メッセージを伝えたい相手にSMS(ショートメッセージサービス)でお知らせします。
電話ではなくSMSで、ボイスメッセージの送受信ができるようになります。
災害救助法適用地域への支援措置
災害時に適用される、災害救助法という法律があります。
災害救助法とは、ある一定以上の災害被害があった地域に、政府が復旧の為に避難所や日用品、資金などの提供をするという法律です。災害救助法が適用された地域に、携帯キャリアも支援措置を行っています。
- データ通信の速度制限解除もしくはデータ購入料金の無償化
- 月額基本料金のの支払い期限の延長や減額
- 被災によって携帯電話が水没、破損などしてしまった場合、交換修理費用を無償化もしくは減額
2019年に起こった台風15号の際にはこのような措置をとっていました。今後も大規模災害がおこれば、このような措置がとられることが予想できます。
格安スマホの災害対策とは?
このように、大手携帯キャリアは手厚い災害対策をしていることがわかりました。もはや、スマートフォンは私たちの生活のインフラともいえますし、当然の流れなのかもしれません。
では、値段の安い格安スマホではどうなのでしょうか?
格安スマホの代表として、顧客満足度の高い UQモバイル,IIJmio,mineo を
例にとってご紹介します。
災害用伝言板
UQMobile | IIJmio | Mineo |
× | × | × |
格安SIMには、キャリア専用の災害用伝言板がありません。各キャリアでは、NTT東日本が非常連絡向けに開発した、web171の利用を推奨しています。
緊急速報メール
UQmobile | IIJmio | Mineo |
△ | △ | △ |
緊急速報の音が鳴る・鳴らないはキャリアではなく端末の問題です。一部のSIMロックフリースマホでは、緊急速報を受信しても通知がこない、ということがあるそうです。
2018年、北朝鮮のミサイル発射の際に一部のSIMロックフリースマホで通知が鳴らなかったということが国会でも取り上げられました。これを受け、現在では
*(2018年1月17日更新) Android™ 8.1.0_r7 以上が対象となります。
一般社団法人電気事業者通信協会「 Android™ における緊急速報「エリアメール」及び「緊急速報メール」の共通受信仕様を策定(更新)」
*(2018年1月25日修正) Android™ 8.1.0_r9 以上が対象となります。
これ以降のバージョンのスマホでは、確実に緊急速報の通知がくるようになっています。こまめにアップデートをするようにしましょう。
災害用音声お届けサービス
UQmobile | IIJmio | Mineo |
× | × | × |
このサービスも、基本的に格安SIMでは提供されておらず、web171の機能を利用することが推奨されています。ですが、格安スマホでは唯一ワイモバイルはこのサービスを提供しています。
災害救助法適用地域への支援措置
UQmobile | IIJmio | Mineo |
○ | ○ | ○ |
これは、キャリアや被害の程度によって変わってくるのでなんとも言えません。一例として、2019年9月の台風15号の際の措置をご紹介します。
UQmobile | IIJmio | Mineo |
9月分の料金の支払い延長 | データ容量 2GB追加 | 災害支援タンクを解放※ |
やはり、大手キャリアの措置と比べると手薄なような気がしてしまいますね。
※Mineoの災害支援タンクとは…Mineoには、フリータンクという余ったパケットをユーザー同士で分け合えるシステムがあります。通常のフリータンクは毎月21日-月末まで解放ですが、災害の際には解放されるということがありました。
格安SIMでも災害に負けないためには、Web171がカギ!
もし災害に遭ってしまった場合、格安SIMの一番の頼みはweb171,もしくはSNSなどのサービスです。
web171は基本的に、震度6以上の地震があった際にのみ利用が可能となりますが、いざという時にアクセスしてえーっと、どうしよう?というのでは、困りますよね。そのため、web171では、体験利用の日が設けられています。ぜひ一度使ってみてください。
体験利用提供日
NTT東日本「災害用伝言板(web171)体験利用のご案内」
毎月1日,15日 00:00~24:00
正月三が日(1月1日00:00~1月3日24:00)
防災週間(8月30日9:00~9月5日17:00)
防災とボランティア週間(1月15日9:00~1月21日17:00)
まとめ
最近、本当に災害が多いですよね。そのため、今後は格安スマホでも対策は手厚くなっていくでしょう。
また、元々通信速度が遅い格安スマホをご利用の方は、災害時にはさらに通信が遅くなってしまうということもあるかもしれません。
一家に一台は確実な通信インフラである三大キャリアの携帯を持っておくなど、対策を考えておくことが大切です。
携帯電話やインターネット、複合機やセキュリティなど幅広情報を発信